作務には庭掃き、草むしり、禅堂内と禅堂周囲の掃除があります。
その作業の間はひたすら箒で掃く、ひたすら雑巾で拭く、ひたすら草を抜く、そのひたすら何かをするという行為がその行為者の心を軽くするのではないかと感じています。
日常生活に於いて何かと慌ただしく暮らしている現代人にとって、日常から離れ、日常を忘れて、ひたすら何かをするという行為がきっと心に良いのかも知れませんね。非日常を体感するということでしょうか。
坐禅会参加者の中には、今日、作務はないのですか? と作務がないと残念そうな顔をして、この作務を楽しみにしている人もいます。
作務が終わって何気なく上を見上げると、境内の竹林の間から朝の清々しい光が差しています。そこに佇んでいると竹林の竹、一本いっぽんから癒しのパワーをもらっているような気がします。
庫裏に戻ると、和尚が境内に咲く紫陽花の葉でデコレートしたおいしそうな和菓子が用意されていました。作務の後、抹茶で頂く和菓子がとてもおいしい。
両忘禅庵坐禅会に参加する我々は、日常では味わえない癒しの時間を求めてこのお寺に通ってくるのかも知れませんね。
(坐禅会参加者I)