7月になりましたが毎日梅雨の鬱陶しい日
が続きますね。今月はこの梅雨に相応しい
禅語を紹介します。
雨滴声(うてきせい)
両忘庵の坐禅堂には雨どいがない。
梅雨時、坐っていると雨だれの音が
バシャバシャと聞こえ耳に障る。
やがて坐が深まって来ると、雨の音
と一体となり、心に障るものがなく
なる。
「耳に見て眼に聞くならば疑わじ、
おのずからなる 軒の玉水」
です。
耳で見る、目で聴く。もしそれが
出来るならば 軒から落ちる水の
音がどんなにか自然に響くことで
しょう。
碧巌録 第46則
「鏡 清 雨 滴 声」
きょう しゃ う てき せい
鏡 清和尚 僧に問う
「門外 是れなんの音ぞ」
僧云く 「 雨 滴 声」
清云く
「衆生 顚倒して、己に迷うて物を
遂う。」
僧云く 「和尚 作麼生(そもさん)」
清云く 「ほとんど己に迷わず」
僧云く 「ほとんど己に迷わずの意旨如何」
清云く 「出身は猶を易かるべし。脱退に
云うは応に難かるべし。」
※出身=解脱。悟り。
脱体に云う=境界を完全に表現すること。
両忘禅庵 住職